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ハッカ油虫除けスプレーの簡単な作り方!レシピによる違いも教えるよ

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最近、暖かい日が増えてきましたね。キャンプやバーベキューなどのイベントが楽しみですが、蚊による虫さされが気になる時期でもあります。

でも、私は市販の虫除けスプレーがあまり好きではありません。臭いが独特で気持ち悪いし、自分の体にも悪そうです。河原でバーベキューをしている時には、近くに食べ物があるぶん、なおさら使用するのに抵抗を感じます。

小さなお子さんや赤ちゃん、ペットなどへの影響も気になるところですよね。やはり虫除けスプレーは、できるだけ体に負担の少ないものを使いたいもの。

そこでおすすめなのは、ハッカ油の虫除けスプレーハッカ油は100%天然由来の製品なので、人体に有害な成分が一切含まれていません。食べ物の近くでも噴射できますし、小さなお子さんでも安心して使うことができます。

ひとつ持っておくだけで本当に便利なハッカ油スプレーですが、

  • 作り方は? 材料はどうやって集める?
  • ネットで調べると、レシピが色々出てくるけどその違いは?
  • 市販の虫除けスプレーとの違いは?
  • ハッカ油スプレーを使用する際の注意点は?

など、これから試してみようと思っている方にとっては、不安に感じるポイントがいくつもあるはずです。私も初めて作った時にはわからないことが多くて、検索するたびに混乱していました。そもそも「ハッカ油」という言葉自体が聞き慣れないですからね。

上記に挙げた疑問について、今回はひとつずつ答えていきます。

ハッカ油虫除けスプレーの作り方

用意するもの
・ハッカ油…20〜60滴(お好みに合わせて)
・無水エタノール…10ml
・精製水…90ml
・スプレー容器
※ハッカ油スプレーを100ml作る場合

 
作り方はいたってシンプルです。

  1. 無水エタノール10mlとハッカ油20~60滴を先に容器の中でかき混ぜる。
  2. 後から精製水90mlを加え、よく振って混ぜ合わせる。

これだけです。必ず無水エタノールとハッカ油を先に混ぜてください。最初にすべてをかき混ぜようとすると、精製水とハッカ油が混ざりにくくなります。

容器を選ぶ際の注意点


ハッカ油の成分はポリスチレン(PS表記)を溶かしてしまうので、「ポリプロピレン(PP表記)」「ポリエチレン(PE表記)」「ガラス」が素材の容器を選んでください。どれも100円ショップで手に入れることができます。

材料の集め方

私が初めてハッカ油スプレーを作った時には、「そもそもハッカ油ってどこで売っているの?」と悩んだものです。

ハッカ油と無水エタノールは、地域によっては取り扱っているお店が少なかったり、量のわりに高かったりするので、Amazonや楽天、Yahooショップなどの通販サイトでまとめて買うことをおすすめします。どちらもお手頃な価格で購入できます。

最初にハッカ油を試してみたい時のおすすめは「健栄製薬株式会社のハッカ油P 20ml」

「20mlしかないの?」と感じるかもしれませんが、実際に使ってみると十分すぎるくらいの量です。

精製水だけはネットで購入するよりも、実際の店舗で買ったほうが安いです。全国のドラックストア、薬局などで置かれていますし、500mlのものが80〜100円で購入できるので、売っている場所を覚えておきましょう。コンタクトレンズの洗浄液の売り場に並んでいます。

ハッカ油虫除けスプレーのレシピについて


ネット上で「ハッカ油スプレー」を検索すると、人によって様々なレシピが紹介されています。これから作ろうと思っている人にとっては混乱しますよね。

色々なサイトを見比べてみた結果、違うポイントは大きく分けて三つあるとわかりました。

  1. ハッカ油の分量の違い
  2. 無水エタノール・消毒用エタノール・エタノールなしの違い
  3. 精製水・ミネラルウォーター・水道水の違い

それぞれの材料の違いによって、完成品がどう変わるのか解説していきます。

ハッカ油の分量の違い

よく紹介されているレシピだと、20〜30滴が最も多いですね。私はいつも30滴で作っています。

自分の肌や衣服につけるつもりであれば、20〜30滴が適量です。感覚としては、50滴も入れたらハッカの香りが相当きつくなりますね。高すぎる濃度で使ったり、原液のまま使ったりするのは、肌荒れの原因にもなるので避けましょう。

虫除け専用で使うならば、50〜60滴まで濃度を上げても大丈夫です。「ハッカ油の濃度を上げたら、虫除け効果が発揮されるようになった」というパターンもよくあります。

ハッカ油の量が多いほど虫除け効果が高くなりますが、そのぶん皮膚への刺激も強くなるので、少しずつハッカ油の量を増やして調整するのが大切ですね。

無水エタノール・消毒用エタノール・エタノールなしの違い

「無水エタノール」はエタノール濃度が99.5%以上、「消毒用エタノール」は80%前後のものを指します。

消毒には消毒用エタノール、清掃には無水エタノールが適しているという特徴はありますが、ハッカ油スプレーの材料に使う場合にはどちらでも大丈夫です。実際に両方の材料をそれぞれ試してみたところ、私の目では違いがまったく分かりませんでした。

エタノールを入れずにハッカ油と水だけで作ることもできますが、その場合には水とハッカ油が分離してしまうため、使用するたびに振る必要があります。また、エタノールには防腐剤としての役割もあるので、入れないと使用期限が短くなるというデメリットがあります。

そのあたりはお好みなので、「別になくても問題ない」と感じたなら、エタノール抜きで作っても構いません。

精製水・ミネラルウォーター・水道水の違い

ネットで検索すると「精製水は水道水でも代用可能」とおっしゃる方も多いですが、私は「絶対に精製水を使ったほうがいい」と主張します。理由は水道水に含まれる塩素によってハッカの成分が分解され、虫除け効果が大幅に落ちてしまうからです。

精製水・ミネラルウォーター・水道水でそれぞれハッカ油スプレーを作り、嗅ぎ比べてみたのですが、水道水だと明らかに香りが薄くなっていると感じました。ハッカの香りは精製水が一番良く、次にミネラルウォーター、水道水という順番で落ちていきます。

精製水ではないからといって、効果がすべて無くなるわけではありません。しかし、せっかく手間とお金をかけて作るのであれば、効果が最大限に発揮される作り方をすべきだと思います。

ハッカ油とエタノールに費用をかけているのですから、80〜100円を出し惜しんで効果を落とすのはもったいないです。ハッカ油スプレーを作るなら、精製水を使うことを強くおすすめします。

市販の虫除けスプレーとの違いは?


ハッカ油の虫除けスプレーを作る時に気になるのは、やはり市販のものとの違いですよね。「自分で作るよりも、メーカーが開発した商品のほうが良いのでは?」と感じる方も多いはずです。

この項目では、手作りのハッカ油スプレーと市販の虫除けスプレーの違いを解説します。

効果が高いのはどっち?

市販の虫除けスプレーには「ディート」という化合物が使用されています。

ディートは忌避剤として最も効果的で、効力も長持ちすることが世界的に認められています。特に蚊を媒介としたマラリアの蔓延する海外に渡航する場合には、ディートが含まれた虫除け剤を肌に塗ることが推奨されています。

このことから「ディートを使用した虫除け効果は、ハッカ油の虫除け効果よりも高い」というのが、日本でも一般的な意見となっているようでした。

ただし、あくまで両者を比較した場合であり、決してハッカ油の虫除け効果が低いわけではありません。実際に自宅の網戸にハッカ油スプレーを振りかけてみましたが、市販の虫除けスプレーに負けないほどの効果を発揮してくれました。

お店で売られている防虫剤にもハッカの成分が配合されていることがあり、ハッカ油の虫除け効果はメーカーからもお墨つきをもらっています。

また、ハッカ油は「除菌・消臭効果」「清涼効果」「覚醒効果」「リラックス効果」など、虫除け以外にも様々な効果が期待できます。特に覚醒効果とリラックス効果はハッカ油特有のもので、アロマオイルのような役割でも使えますね。

ハッカ油の虫除け効果・その他の効果については別記事にまとめましたので、こちらをご覧ください。

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安全性が高いのはどっち?

市販の虫除けスプレーの「ディート」は強力な効果を発揮する一方で、人体にも有害な作用をもたらします。アメリカの研究機関では人体の、特に神経系に作用する毒性があることが指摘されており、ディートが含まれている製品には「使用上の注意」として以下の記載をすることが義務づけられています。

  • 乳児には直接塗ってはならない。
  • 子供だけで虫除け剤を塗ったり、スプレーしたりさせない。使用の際には必ず大人が立ち会うこと。
  • 衣服へ塗る場合、内側(皮膚に直接触れる部分)へ塗布しない。
  • 虫に接触する機会から離れた場合、帰宅後には速やかに石鹸などを使い、洗い落とすこと。

 
日本の国民生活センターでは平成17年6月に、厚生労働省や殺虫剤メーカーに対し、子供への安全性の検討や使用上限量などの表示が要望されました。これを受けて厚生労働省は虫除け剤の添付文書を改訂し、「6カ月未満の乳児には使用しない」「6カ月以上2歳未満は1日1回」「2歳以上12歳未満は1日1~3回」など子供への使用制限を盛りこむようになったそうです。

ハッカ油で手作りする虫除けスプレーには、もちろんこのディートは含まれていません。ハッカには抗菌性があり、古くから胃腸薬として使われてきたほどなので、誤って口に含んでしまっても大丈夫です。その点でいえば本当に安心で、食べ物や食器の近くでも吹きかけられます。

※ただし注意していただきたいのは、必ず食品(食品化合物)として使えるハッカ油を使用することです。ハッカ油を購入・使用する際には、ラベルをよく確認するようにしましょう。

値段が安いのはどっち?

どのくらい費用がかかるのか、という面で両者を比較してみます。

さっそく電卓を叩いて、私が使っているハッカ油スプレーの材料費を計算しました。

  • ハッカ油:693円
  • 無水エタノール 500ml:970円
  • 精製水 500ml:83円

※ハッカ油と無水エタノールはAmazonで購入したので、値段が変更される可能性があります。

ハッカ油スプレーを100ml作るのにかかる値段は、高めに見積もっても「ハッカ油40円、無水エタノール20円、精製水20円」で合計80円でした。購入するお店や材料などによって多少変動しますが、基本的には100mlあたり80円以下で作れます。

市販の虫除けスプレーの相場が100mlあたり100円以上なことを考えると、コスパの良さではハッカ油のほうが上だと思います。お財布に優しいのはありがたいですよね。

ちなみに企業が販売している「ハッカ油虫除けスプレー」も存在しますが、やはり自作の手間がないぶんだけ割高にはなってしまいます…

材料さえ揃っていれば簡単に作れるので、私は手作りのハッカ油スプレーをおすすめします。

ハッカ油スプレーを使用する時に気をつけたほうがいいこと

ここまで便利なハッカ油スプレーについて紹介してきましたが、

「網戸が溶けるって聞いたけど本当?」
「小さなお子さん、赤ちゃんに使っても大丈夫?」
「一緒に住んでいるペットに悪影響はあるの?」

という声もよく聞きますよね。それらの疑問についても答えていきます。

自宅で使う場合の注意点


ハッカ油には「リモネン」という成分が含まれており、この成分がポリスチレン(PS製)を溶かしてしまいます。ポリスチレンは、液晶テレビの部品や、エアコン・パソコン・ラジカセなどの家電製品、子どもの玩具、壁の中の断熱材など、身近なものにも使用されていることがあり、部屋の中で使う時には注意が必要になります。

また、ハッカ油は植物性の「油」なので、壁やフローリングに染みができる危険性もあります。室内で使用する際には、あらかじめ目立たないところに吹きかけてみて、変化がないかチェックしてみたほうがいいですね。

「網戸が溶ける」という噂もよく聞きますが、ハッカ油が溶かすのはポリスチレンだけです。網戸に使われている一般的な素材は、ポリプロピレン、ポリエステル、グラスファイバー、ステンレスなどがほとんどなので、まず溶けることはないでしょう。

我が家でも網戸に吹きかけていますが、何の問題も起きていません。どうしても心配な場合には、メーカーに問い合わせてみてください。

赤ちゃんに使うのは大丈夫?


安全性の高いハッカ油は、赤ちゃんに使用しても大丈夫です。仮に舐めてしまったとしても問題ありません。

ただし、安心といっても、敏感肌の赤ちゃんに使う場合にはいくつか注意点があります。別記事に詳しく書きましたので、こちらを参考にしてください。

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小さなお子さん、妊婦さんについても同じです。ハッカ油は20滴でもなかなかに香りが強いので、使い慣れない方や心配な方、特に赤ちゃん用に作る時はハッカ油の量を減らしたほうが安心です。あまり薄めすぎると虫除け効果がなくなるので、10滴くらいが適切ですね。

ペットがいる家庭で使っても大丈夫?


猫を飼っているご家庭では、ハッカ油の使用を避けましょう。詳しくは別記事にまとめましたので、よかったら参考にしてください。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?

この記事を読むことで「よし、作ってみるか!」と感じてもらえたなら嬉しいです。

ネット上には色々なレシピが転がっていますが、「用途や自分の環境に合わせて適切なものを選ぶ」ことが一番大切ですね。

ハッカ油スプレーは材料さえ用意しておけば、混ぜるだけなのでとても簡単に作れます。

友人と遊びに行く時に自作していくと、きっと喜ばれると思いますよ。

ぜひ手作りして、安心・安全な虫除け対策にチャレンジしてみましょう。