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タルトとパイの違い!一発で分かる答えと誰かに話したくなる豆知識

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先日、青森に旅行していた友人から「気になるリンゴ」というお土産をもらいました。

気になるリンゴは青森県産の「ふじ」をシロップに漬け、1個丸ごと包み揚げた贅沢なアップルパイです。リンゴが大好きな私にとっては最高の一品でした。

夢中でアップルパイを頬張っていると、頭の中にふと思い浮かんだのがひとつの疑問。

「世の中にはリンゴタルトという食べ物もあるよな? リンゴタルトとアップルパイの違いってなんだろう?」

気になって家族や友人に聞いてみても、「タルトはパイの一種だと思う」「食感が違うのでは?」といった曖昧な回答が多く、謎は深まるばかり。

そこでタルトとパイの違いをハッキリさせるため、今回の記事を書くことにしました。

結論:タルトとパイの違いは具材が外に出てるかどうか

このふたつのお菓子の呼び方について、日本ではきっちりと区分されています。

どちらも材料に「パイ生地」が使用されているのは同じですが、

  • タルト:具がむき出しで、生地の上に乗っているもの
  • パイ:具の上から生地をかぶせるか、または生地で具を完全に包んだもの
  •  

    という基準で呼び分けられています。外から見た時に具材が丸見えなのがタルトで、具材が生地で隠されているのがパイと覚えましょう。

 
と、ここが料理としての定義になる、明確な違いです。一目で分かるハッキリとした違いですし、何よりも重要な結論と言ってもいいかと思います。

ただし、ふたつの違いはそうした区分だけではありません。

詳しく見ていくと、具材の位置だけではなく、生地の作り方も異なるようです。出来あがりの違いから、必要となる生地も違ってくるのでしょう。

よりふたつの違いに詳しくなるためには、ぜひとも知っておいていただきたい情報なので、そこも掘り下げてお伝えしますね。

生地の作り方の違い

パイ生地には2種類ある

小麦粉にバターを混ぜ合わせ、パイ菓子を作るために用意された生地を「パイ生地」と呼びます。

このパイ生地の作り方はひとつではありません。

  1. 小麦粉にバターを練りこんで作るタイプ
  2. 小麦粉の生地でバターを包み、それを繰り返し伸ばしては折り重ねて作るタイプ

大きく分けてこの2種類に分かれます。

①を「練りこみ生地」、②を「折りこみ生地」と呼びます。

この2種類の生地について学ぶことで、タルトとパイの違いをより深く理解することができます。

では、それぞれの違いを見ていきましょう。

タルトに使われるのは「練りこみ生地」


タルトはパイ菓子のひとつです。

練りこみ生地を型に入れて引き伸ばし、上に具材を乗せてオーブンで焼くか、あらかじめ生地だけを焼きあげてから具材を盛りつけます。具材が見えるように生地はかぶせません。

パイに比べると、しっとりとした食感が特徴ですね。

パイに使われるのは「折りこみ生地」


パイの作り方はタルトとはまるで異なるものです。

水で練った小麦粉の生地を延ばして、その上に平らにしたバターを乗せ、何度も折りたたんでいきます。バターと生地を交互に重ねていくことで、ミルフィーユのような層ができるのです。

文字だけでは、なかなか伝わりにくいですよね。

実際にパイ生地を作っている動画を見つけてきました。3:20からの映像が参考になります。


食べる時はあっというまのパイですが、作るのはこんなに手間がかかるんですね…

この製造方法のおかげで、噛むと崩れていく、さくさくとした独特な食感に仕上がります。

ここで一旦違いをひとまとめ

さて、ふたつの違いについてご理解いただけましたか?

  • タルト:型に入れて焼きあげられた、練りこみ生地
  • パイ:何層にも重なった、折りこみ生地

 
この生地の作り方によって、完成後の見た目にも変化が生まれるのです。

こうして見比べると、タルトとパイって似ているようでまったく違う食べ物なんですよね。

それもそのはずで、じつは料理としての用途も違うのです。「両方とも焼き菓子」だと認識している方も多いのではないでしょうか?

使われてる具材に注目すると、その違いが分かりやすいです。合わせて解説していきますね。

料理としての用途の違い

タルトはお菓子


タルトはパイ生地を使ったお菓子です。丸く焼いた器状の生地の上に、果物やナッツ、クリームやジャムなどを敷き詰めます。

「イチゴタルト」「リンゴタルト」「アーモンドタルト」など、洋菓子店では様々なタルトが販売されています。

パイはお菓子にも料理にもなる


いっぽう、パイはお菓子だけでなく料理全般を指します。生地の中に果物やチョコレートなどを入れればお菓子になり、肉や魚、チーズや野菜などを入れれば惣菜になります。

日本では「アップルパイ」や「パンプキンパイ」が定番で、クリスマスにはお肉の詰まった「ミートパイ」がよく食べられますよね。

おさらい

ここまでの内容を要約すると、タルトとパイの違いとして挙げられるポイントは以下の三つ。

  1. 見た目の違い(具材が外に出ているかどうか)
  2. 生地の違い(タルトは練りこみ生地・パイは折りこみ生地)
  3. 料理としての用途の違い(タルトはお菓子・パイは料理全般)

友人に聞かれた時にさっと答えられると、一目置かれるかもしれませんよ(笑)

最後にちょっとした豆知識として、タルトとパイがどうやって生まれたのかも解説します。

ふたつの起源を知ることで「なるほど、だからそういう名前だったのか!」と納得していただけると思います。

発祥地の違い

タルトの起源


タルトのもともとの発祥は、古代ローマ時代に作られた「torta(トールタ)」というお菓子に由来されます。「torta(トールタ)」はラテン語で「捩る、丸める」を意味する言葉で、「丸い皿状のお菓子」全般をそう呼んでいたそうです。

その後、ローマから伝わった「torta(トールタ)」が、フランスでは「tarte(タルト)」と呼ばれるようになりました。

最初は肉や野菜が乗せられていたのですが、フランス貴族の間で改良が進められ、果物やクリームを乗せたデザートとして世界中に広まったそうです。

つまり、タルトはフランス生まれのお菓子と言えるでしょう。名前の由来が「皿」なだけあって、果物を盛りつけると見た目も色鮮やかで楽しいですよね。

パイの起源


パイの歴史は深く、原型を辿っていくと、紀元前5世紀のギリシャまで遡るという説もあります。

「カササギ」という鳥のことを英語で「magpie(マグパイ)」というのですが、「パイ」という名前はここから来ています。

カササギは木の枝や藁を集めて、木や電柱に丸い形をした巣を作ります。

そんな「鳥の巣」を作るカササギの姿が、色々な材料を詰めるパイを連想させることから、イギリスでそう名づけられました。

パイが生まれたのは1303年。当時のイギリス海軍では、航海の際に「持ち運びに便利で栄養価の高い食品」が必要とされていました。

そうして開発された初期のパイは、小麦粉を練ったものに肉や野菜を包みこんだもの。パイの皮は非常に厚く硬く作られ、食用ではなく器として使われていました。

どちらかといえば、乾パンのような保存食としての意味合いが強かったわけですね。貴族スタイルのお菓子であるタルトとは正反対です。

それから16世紀になってオーブンの改良が進み、今のような美味しいパイが作られるようになりました。パイの歴史が古いイギリスでは、伝統料理として多種多様なパイが愛されています。

まとめ〜タルトとパイの違い〜

今まで解説したことを表としてまとめました。ご参考になさってください。

タルト パイ
見た目 具材が生地の上に乗っている 具材が生地に包まれている
生地 練りこみ生地 折りこみ生地
具材 果物・ナッツなど 果物・肉・魚・チーズ・野菜など様々
用途 お菓子 お菓子にも料理にもなる
発祥地 フランス イギリス
語源 鳥の巣

いかがでしたでしょうか? タルトとパイの違いを意識しながら食べると、新たな発見があるはずですよ。リンゴタルトとアップルパイを食べ比べてみるのも面白いと思います。