夏はハッカ油が大活躍する時期です。ハッカの爽やかな匂いは気持ちいいし、ひんやりとした清涼感がたまりません。
蒸し暑い日にぴったりなのが、少量のハッカ油を湯船に混ぜる「ハッカ油お風呂」。お風呂から出ると汗が引かなくて嫌だなぁという時も、ハッカ油お風呂なら快適に過ごせます。
ただし、ハッカ油の分量や使い方を間違えると、残念な結果になることも。
「涼むどころか寒かった」という声や、逆に「効果が感じられなかった」という声もよく聞きますよね。
私が初めてハッカ油お風呂に入った時には、しっかり混ぜたはずのハッカ油が表面に浮いてしまったり、量を入れすぎたせいで凍え死にそうになったりしました(^^;)
これから試そうと思っている方にとっては「自分の体に害はないの?」「浴槽に悪影響はないの?」など不安に感じる点は多いはずです。
そこで今回は、実際に試してみてわかったハッカ油お風呂の効果や、自分の失敗を通して気づいた注意点などをまとめました。
目次
ハッカ油お風呂の効果とは?
まずはハッカ油お風呂の効果・効能について解説しましょう。
ハッカ油をお風呂に使うと、メントールの効果によってスース―とした清涼感を楽しむことができます。このメントールには「痛み」「血行障害」を解消する効能もあり、これが筋肉痛や肩こりの痛みを和らげてくれます。
また、ハッカ油に含まれる「リモネン」という成分は、柑橘系の皮に含まれる物質のひとつです。市販の柑橘系の入浴剤と同じく、疲労回復効果・リラックス効果が期待できます。
以上のことから、ハッカ油が入浴剤としても優れているのは間違いありません。
しかし、予備知識がないと、ハッカ油お風呂で失敗してしまうケースは多いのです。具体的な私の失敗談を紹介しますね。
ハッカ油お風呂で私が失敗した時のエピソード
これから話すのは、私が初めてハッカ油お風呂に入った時のことです。
当時の私は購入したハッカ油を使い、わくわくしながらお風呂の用意を終えました。
さっそく湯船に浸かってみると、最初に漂ってくるのはミントの爽やかな香り。ふだんの緊張もほぐれ、気分がスッキリします。
「なるほど。これはいいものだ」とリラックスしていたら、途中で違和感で気づきました。
浴槽の水面にハッカ油が浮き上がっているのです。
「ちゃんと混ぜたはずなのになぜ?」と思いましたが、よく考えたらハッカ油は「油」だから水と混ざりにくいのは当然です。
お風呂の中でハッカ油の濃度に差があると、濃度が高いところに効果が出すぎて、肌が「ヒリヒリ」してしまいます。このままではいけないと思い、慌ててハッカ油を足してかき混ぜたのですが、これが大失敗でさらに事態が悪化することに。

20滴ほど入れたせいで、後から強烈な寒さに襲われることになりました。メントールの清涼効果は「徐々に効いてくる」という性質があり、お風呂に出てからも1時間ほどは寒さに震えて過ごす羽目になったのです。
こうして、私にとってハッカ油お風呂の初体験は苦い思い出になりました(笑)
これから試してみようと思っている方には、私と同じ失敗をしてほしくありません。なので、対策をお伝えしますね。
抑えていただきたいポイントは以下のふたつです。
- ハッカ油の適量を守らないと寒くなる
- ハッカ油とお湯は混ざりにくいので工夫する必要がある
このふたつさえ気をつけておけば、ハッカ油お風呂を安全に楽しむことができるでしょう。
それぞれについて詳しく解説していきます。
ハッカ油お風呂を実践する上での注意点&失敗した時の対処法
ハッカ油の適量を守ることが大切
ハッカ油お風呂で一番多い失敗パターンが「ハッカ油を入れすぎてしまう」ことですね。
湯船に浸かった時に「あんまり効果がないな」と感じて、ハッカ油を多く足しすぎてしまい、後から痛い目(寒い目?)に合うケースは多いようです。
ハッカ油お風呂の適量は2滴から8滴です。この分量を必ず守ってください。
最初は2〜3滴から始めて、しばらくしても物足りないと感じたら、お好みに合わせて増やすようにしましょう。私の体感では10滴も垂らすと効果がきつくなり、肌もヒリヒリするようになるので、やはり8滴がボーダーラインだと思います。
前述したとおり、「メンソールの清涼効果は徐々に効いてくる」ものなので、初めて使う時には焦らずに様子をうかがってください。少しずつ足していって、自分の体に合った濃度を探してみてくださいね。
ハッカ油を入れすぎてしまった場合の対処法は?
ハッカ油を入れすぎたお風呂に入り、体が冷えてしまった場合には「水分をこまめに摂取すること」「その時は寒くても我慢すること」のふたつが重要になります。
メントールの清涼効果は神経を刺激することによる錯覚であり、実際の体温は変化していません。
ハッカ油が効きすぎて寒い時には、エアコンの温度をあげたり、いつもよりも厚着をしたりという行動を取りがちです。しかし、体は風呂あがりでしっかり温まっているので、熱中症になってしまう危険性があります。
「寒い」「冷たい」と感じているのはあくまで脳だけであって、体は冷えていないことを覚えておいてください。メンソールの効果は30分〜1時間ほどで消えます。水分を多めにとり、ふだんと同じように過ごしましょう。
ハッカ油とお湯が混ざらない時の対処法は?
前述したとおり、ハッカ油は植物性の「油」ですから、そのままではお湯と混ざりにくいです。
ハッカ油スプレーを作る時にはエタノールを使用しますが、入浴剤として使う時にも同じく中和剤が必要となります。
具体的には以下の三つが対処法になりますね。
- 重曹にハッカ油を含ませて使用する
- 塩にハッカ油を含ませて使用する
- キャリアオイルとハッカ油を混ぜてから使用する
私はこの中でも「ハッカ油と重曹の組み合わせ」をおすすめします。
重曹はお湯に溶けると弱アルカリ性になり、人の皮膚に付着した弱酸性の汚れを落としてくれます。重曹入りの入浴剤には、肌をつやつやにしてくれる美容効果があるのです。
大さじ3杯の重曹を用意し、あらかじめハッカ油を含ませておくことで、お湯とよく混ざるようになります。片方だけでも入浴剤としての効果が高いのに、ダブルで味わえるのはお得ですよね。
ハッカ油×重曹のコンビは他にも色々な用途に使うことができ、私は両方合わせて入手することを推奨しています。
詳しい使い方はこちらの記事で解説しているので、興味がありましたらぜひ読んでみてください。

ハッカ油との組み合わせについては、塩には基礎代謝を高める効果、キャリアオイルには保湿効果とそれぞれメリットがあります。もちろん、どれが正解というわけではないので、色々試してみるのも面白いと思います。
ハッカ油お風呂にまつわる噂・疑問について
さて、ここまでハッカ油お風呂の注意点を紹介しました。上で挙げたふたつのポイントさえ抑えておけば、大きく失敗することはないはずです。
とはいえ、ネットで検索すると「ハッカ油は浴槽を傷めるのか?」「体への悪影響はあるのか?」「他の入浴剤と一緒に使用しても大丈夫なのか?」など、他のポイントで不安を感じている方もたくさんいました。
よりハッカ油お風呂について理解を深めるためには、ぜひ知っておいていただきたい情報なので、これらの疑問についても合わせて回答していきますね。
ハッカ油は浴槽を傷めるのか?
以前に「アロマオイルをお風呂で使うと給湯配管を傷め、浴室乾燥機の埃に油がついて火事が起こる」という噂を耳にしました。
これが本当であるなら、ハッカ油をお風呂に使用するのも怖いですよね。
過去に起きた火災について調べたのですが、そのような事故が起きるのは、マッサージオイルや機械油のように大量の油が付着したタオルや作業着を乾燥機にかけた場合に限り、しかも発生確率はかなり低いようです。
少なくとも「浴槽にハッカ油を2〜8滴垂らす」程度で、浴槽が傷むこと・火事が起きることはまずありえません。
とはいっても、万が一ということはあります。しつこいようですが適量を確実に守るようにしてください。
ちなみにハッカ油お風呂に使用したお湯は、洗濯水として使っても大丈夫です。ハッカ油には消臭効果があるので、気になる衣服の臭いを抑えてくれます。
体への悪影響はあるのか?
ハッカ油をお風呂に入れると、寒すぎて風邪を引いたり、ヒリヒリと肌が痛んだりするという話もありますよね。
繰り返しになりますが、メントールの清涼効果は「実際に冷たいものに触れている」わけではありません。寒さによって風邪を引くのは考えにくいです。いわば一時的に脳が騙されている状態ですから、警戒したほうがいいのは熱中症のほうです。
肌が荒れてしまう可能性はあります。ハッカ油は数滴入れるだけでも刺激を感じる強い油なので、肌が弱い方・小さなお子さんなどが使用する際は注意すべきですね。
心配な場合はパッチテストをしてみてください。二の腕や太ももの内側など、皮膚の柔らかい場所に水で薄めたハッカ油を垂らします。そして1日置いて、かゆみや赤みといった異常が出なければ大丈夫です。何かしらの異常が現れるようであれば、お風呂に入れるハッカ油の量を少なくするか、使用そのものを中断してください。
たとえ肌の強い人であっても、粘膜などデリケートな部分に入ると危険です。ハッカ油の含まれたお湯がついた手で目をこすらないようにしましょう。
また、傷口にもハッカの成分が染みてしまいます。怪我をしている時には使用を控えてください。
他の入浴剤と一緒に使用しても大丈夫なのか?
「ハッカ油と一般的な入浴剤を併用したい」という声もよく聞きます。ハッカ油は無色ですから、物足りなく感じるのかもしれませんね。
結論から言えば、健康面においてはまったく問題ありません。ただ、香りどうしが喧嘩してしまうので、私個人としてはあまりおすすめできないです。
どうしても合わせたいのであれば、柑橘系の入浴剤とは相性がいいと思います。ベルガモットやグレープフルーツなどの入浴剤と組み合わせると、香りが自然に混じり合って良い感じでした。
「湯船には市販の入浴剤、シャンプーにはハッカ油」という使い分けもできるので、その方法についても後述します。
浴槽以外でのハッカ油の活用法
ハッカ油はただ浴槽に垂らして使うだけではなく、お風呂場で他の用途にも使うことができます。合わせて覚えておくと便利なので、最後に他の使い方も紹介しますね。
ハッカ油シャンプーで洗いあがりもさっぱり!
シャンプーする時に、手のひらにハッカ油を1〜2滴垂らし、よくかき混ぜて使いましょう。メントールには清涼効果だけでなく、皮脂の汚れを落とす作用もあります。頭皮のべたつきが気になる方にもおすすめのシャンプーです。
1回分の量は多くても3滴までです。それ以上の量になると、頭皮への刺激が強すぎるので注意してください。頭がヒリヒリしたら危険信号です。
私も実際に使ってみましたが、いつもよりも髪の毛がさらさらしているような気がしますね。血行促進の効果があるので、育毛としての期待もできます。ハッカ油に含まれているメントールは、市販の育毛剤にも使用されているそうですよ。
お風呂あがりに頭から被ってスッキリ!
お湯を張った洗面器にハッカ油を2〜3滴垂らし、よくかき混ぜてから体にかけることで、お風呂あがりに爽快感を味わうことができます。お風呂には入らずシャワーだけで済ませる人は、この方法でハッカ油を楽しむと良いかもしれませんね。
お風呂あがりの爽快感をより感じたいのであれば、ハッカ油スプレーもおすすめです。スプレー容器に精製水とハッカ油を入れて混ぜ合わせることで、清涼スプレーが出来あがります。お風呂あがりに体全体に吹きかけることで、清涼感を楽しめる上に汗を抑える効果まで得られます。
ハッカ油スプレーの作り方は別記事に詳しく書きましたので、こちらをご覧ください。

まとめ
分量と使い方さえしっかり守れば、ハッカ油お風呂はあなたの強い味方になってくれます。間違った使い方をして「もうハッカ油お風呂はやめよう…」と思うのは本当にもったいないので、挫けずにこの記事を読み返してみてください。
また、ハッカ油には気持ちを落ち着かせてリラックスさせる作用があります。そのため、寝る前にハッカ油風呂に入ることは、暑さ対策だけでなく安眠という視点でも効果的なのです。
ハッカ油を上手に使いこなして、涼しく快適に夏を乗り越えましょう。